Process
山本製鞄のレザーは、革の鞣し・染色を行う自社工場より生み出されています。
現在世界に約20社存在する爬虫類革の鞣し工場は、現代社会では稀有な存在となっています。欧州ではエキゾチックレザーがより馴染みの深いものですが、日本ではまだまだ目にする機会が少ないかと思います。
初めて爬虫類革に触れるお客様も、既にご愛用されているお客様にも、満足いただける品質の日本製エキゾチックレザーを生み出しています。
自社で調達するクロコダイルレザーは、全ての品種において高品質であり、革の質感、発色の良さにおいて高いレベルのクォリティを実現しております。
50年以上爬虫類革を扱ってきた当社の経験と知恵を共有し、素材から製品まで全ての工程が自社で成される一貫製品の品質をお客様にお届けします。
当社が扱う品種
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ミシシッピアリゲーター
産地:アメリカ、ルイジアナ州
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ナイルクロコダイル
産地:アフリカ ジンバブエ産
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ポロサスクロコダイル
産地:主にオーストラリア産
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エレファント
産地:アフリカ ジンバブエ産
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パイソン
産地:マレーシア、ベトナム産
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リザード
産地:マレーシア、アフリカ マリ産
ワニ革を鞣すことができるのは、世界でも20数社、日本では6社のみ。
オーストラリアやアメリカから輸入されたクロコダイルやアリゲーターの原皮を革小物やバッグに使われる“革”にするまでに、50にも及ぶ特殊な工程を経る必要があり、その工程を全て終えるまでに3ヶ月を要します。
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水漬
太鼓の中に原皮と水をいれて1日から3日間まわします。
この最初の作業が鞣し(なめし)工程の中で1番大切です。
皮に付着した汚れを水に浸け取り除くことで、薬品が染み込みやすい状態にします。
原皮の状態や皮の厚さ、動物の大きさ等、諸条件で水漬の時間を調整します。その都度、水に浸けた皮の状態をチェックし、水から引き上げるタイミングを見計らいます。
長年爬虫類皮革の鞣しに関わっている職人の感覚によって、革の品質は大きく左右されます。 -
石灰漬
石灰に含まれるアルカリの作用により、皮を膨張させ、皮のコラーゲン繊維をほぐすと共に、鱗、脂肪を分解除去します。
皮に水分が十分に行き渡り、プルプルとした質感になっています。
この状態でドラムと呼ばれる機械を回し、ワニ皮で3~5日間、ヘビ革やトカゲ皮で2~3日間回します。 -
脱灰、浸酸
石灰漬で皮中に残った石灰を取り除きます。
消石灰が皮に残っているとその後の鞣し工程がうまくいかないため、薬品で余分な消石灰を取り除きます。
皮を酸性の溶液に浸し、鞣剤が浸透しやすい状態に調整します。
タンパク分解酵素により、皮の主成分であるコラーゲン以外のタンパクを消化して除去します。 -
クロム鞣し
鞣剤を皮に浸透させ、コラーゲン繊維と結合させ、耐久性を加えます。
鞣しにより、皮は強度が増し、通常の温度では収縮や硬化が起こらない“革”へと変化します。
鞣しの工程では徹底された温度管理のもと作業が進められる為、季節の変化などに合わせた厳密な管理の下、2~3日ドラムをまわし続けます。
この鞣しの作業が完了することで「皮」から「革」になっていきます。 -
シェービング
この機械を使い革の裏を削って、革の厚さを調整します。
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再鞣し、染色、加脂
求められる風合いに応じて、クロム、植物タンニンなどで再鞣しをして希望の色に染色をします。
同時に革を柔軟にするために加脂剤を加えます。
染色時には温度管理はもちろん、PH(酸性、アルカリ性)の調整も行わなければ希望する色に染めることはできません。
求められる色に応じて温度管理、PH管理を調整する職人技です。 -
仕上げ
革の形を整え、革が収縮しないように固定し、平らな状態に乾燥させます。
マット仕上げはバフで研磨し、耐水性、色落ちに注意した仕上げにします。
グレージング仕上げは、透明度のある光沢を出すために、革にタンパク質バインダーを塗布し、メノウの玉で磨きます。